美容室での待ち時間は、お客様に雑誌を提供するのが当たり前の光景でした。しかし雑誌だと数が限られていたり、髪を取り払ったりする手間があります。
今では雑誌のタブレット化が進んでおり、状況は大きく変わったと言えます。
しかしタブレットのデメリットはあるのか、導入するのなら気になりますよね。
美容室にタブレットを導入して行えること
ここでは、美容室にタブレットを導入すると何ができるのかを詳しく見ていきます。
雑誌の読み放題を提供できる
近年ではマンガをはじめ、さまざまな書籍が電子化されてきています。
女性が好んで読むファッション雑誌や情報誌も、電子書籍となって配信されています。これらの雑誌を、紙媒体でなくタブレットで提供すれば、店舗の経費を削減する効果も得られるのです。女性向け雑誌はもちろん、アニメや漫画、アウトドアやスポーツ雑誌など、お客様の趣味嗜好に合わせた様々な雑誌を読めるサービスもあります。
美容室ではカット時まで雑誌を読むお客様は少ないですが、順番待ちやカラーやパーマの待ち時間には雑誌を読むお客さまが多いのではないでしょうか。
常に10冊以上は雑誌を用意していないと、足りなくなる場合もあるでしょう。
仮に税込1000円の雑誌を月に10冊用意すれば、月に10,000円、年間120,000円の経費が必要となります。
しかしタブレットを新規購入すれば、初期投資と少しの月額料金で雑誌が読み放題です。直ぐに元を取れてしまうのです。
映画や動画コンテンツも提供できる
タブレットを利用すると、経費削減は雑誌だけに留まりません。店舗に設置するテレビなどのモニターも不要となります。タブレットでは、動画やコンテンツをお客さまへ個別に提供することが可能です。
料金を支払うことで、製品やサービスを一定期間利用することができるサブスクリプションサービスも、契約内容次第では商用利用も可能です。配信される映画やその他コンテンツを、お客さまの好みで選んでもらって視聴が可能となります。これにより、大画面のテレビを設置したりプロジェクターを用意したりする費用をゼロにできます。
また、お客さまが映画や動画に集中できるためにもステレオイヤホンを用意してのもよいでしょう。
ヘアカタログとして活用できる
「こんな髪型にして欲しい!」と雑誌を切り抜いて、お客さまが持参していた時代もありました。現在ではスマホで「こんな髪型にして欲しい!」と要望されます。
逆に美容院からおススメの髪型をプレゼンするケースもあるでしょう。そんな時には、タブレットが活躍します。
オリジナルのカットを施した髪型をタブレットに取り込んでおけば、タブレットがヘアカタログに早変わり。ヘアスタイルを悩むお客さまは意外と多いので、お店のスムーズな営業を行うためにもヘアカタログは用意しておいた方が良いでしょう。近年ではデジタルのヘアカタログも多く提供されていますから、困ることはありません。
しかも最新のヘアスタイルが日々更新されるので、紙媒体のように探す手間が不要となります。
POSレジとして使える
タブレットの活用方法は雑誌や映画だけに留まりません。タブレットをPOSレジとして使うことも可能です。最近では高機能なクラウドPOSレジが登場していて、基本的なレジ機能だけなら無料で利用できます。
基本的なレジ機能とは、料金の計算・レシート印刷・商品管理などが挙げられるでしょう。単にレジスターの代わりをするなら、十分な機能を備えていると言えます。クレジットカードやQRコード決済、電子マネーなどにも対応しているので、大きなレジスターを置くスペースが不要になります。
顧客の管理を行える
これまでお客さまの情報を管理する手法は、低コストならPCのエクセルで顧客管理を行い、コストをかけるならPCに専用ソフトをインストールしての顧客管理が主流でした。
ですが、現在では優秀な、タブレット用の顧客管理アプリが多数登場しています。タブレット端末で閲覧・編集ができて、スタッフ全員で共有が可能。ヘアスタイルの写真を添付して、履歴を残すこともできます。
これだけの機能が使えて、料金が無料なアプリもあります。もちろん、色んな顧客管理アプリが登場していて、有料のアプリならもっと多くの機能が搭載されています。お店のスタイルに合わせて選べるので、無駄がありません。顧客情報をスタッフと共有できるので、来店時のサービス向上にも役立ちます。
スタッフの勤怠管理を行える
タブレットがあれば顧客管理だけでなく、スタッフの勤怠管理も可能となります。タブレットをタイムレコーダー代わりに利用して、出退勤記録の保存が可能です。もちろん、タブレットがあれば無料利用できる勤怠管理アプリもあります。
- 既存のタブレットで利用可能
- 従業員を登録すればすぐに利用可能
- 名前をタップするだけで打刻が完了する
- 勤務形態にあわせて設定はすぐに変更可能
- 最短で申込み即日から導入できる
などの特徴があります。最近ではたくさんの勤怠管理アプリが登場しているので、顧客管理アプリと一緒にお店のスタイルに合わせて選ぶと良いでしょう。
美容室にタブレットを導入する4つのメリット
美容室にタブレットを導入すると、美容室に通うお客さまはもちろん、働くスタッフにもメリットがあります。
時代は次第にペーパレス化していますから、日誌での顧客管理や日報での勤怠管理、さらには紙媒体の雑誌もデジタル化する方向へ進んでいます。一昔前の大がかりなパソコンやシステムの導入は不要です。
コンパクトなタブレットさえあれば、これら全てをまかなうことが可能な時代になっています。ここではタブレットが、お客さまやスタッフにもたらす4つのメリットをお伝えしましょう。
雑誌代の節約になる
先にも触れていますが、美容室での待ち時間は意外に多くあります。その時にお客さまが求めるのは「暇つぶし」です。
持参するスマートフォンで暇つぶしされる方もいますが、やはり多くの方は普段読まない雑誌を読みたいと希望するでしょう。ですから、今まで多くの雑誌を美容室が用意していたのではないでしょうか。
少なくとも月に10冊は雑誌を購入していたはずで、雑誌代も馬鹿になりません。タブレットを導入すれば、電子書籍の読み放題が可能となります。しかも、1ライセンスで複数台のタブレットで同時に読むことができるので、雑誌代を大きく節約できます。
タブレットがあれば、雑誌の発売日の度に、書店に出向いて購入する時間は必要ありません。タブレットを導入すれば、経営者とスタッフ両方にメリットが生まれます。
さまざまな雑誌や動画を楽しんでもらえる
タブレットを導入して電子書籍を読むことができれば、お客さまにもメリットが生まれます。例えば、ファッション雑誌を選んで読んでいたものの、読み終わったり飽きたり時に、違う雑誌を読みたいと思いますよね。
でもその時に、店内が混雑していて読みたい雑誌を他の方が読んでいれば、諦めるしかありません。ですが、電子書籍なら数百種類の雑誌が読み放題なので、飽きることなくさまざまな雑誌を読むことができます。
さらに、雑誌を読むことに飽きれば、映画や動画のコンテンツを見ることができるのも、タブレット導入の魅力です。
タブレットがあれば動画コンテンツが見放題なので、ネコ動画や好きな動物の動画を見て癒されることでしょう。
このように、タブレットを導入すれば美容室での待ち時間を、お客さまは退屈しないで過ごすことができます。
ラインナップが充実している
本来であれば美容室には置いていないような雑誌も楽しめるというメリットがあります。これまでは美容室の雑誌と言えばファッション誌や週刊誌がメインでした。
しかし全てのお客さまが必ずしもファッション誌に興味があるとは限らないのではないでしょうか。
タブレットで読む電子書籍だと従来通りのファッション誌や週刊誌はもちろん、グルメ、スポーツ、カルチャーなどといった多種多様な分野の雑誌も読むことができるのです。
サービスによっては漫画や単行本など、現物購入では到底実現できない数の書籍が揃っているためお客さまを選びません。
保管がしやすい
タブレット端末で読む電子書籍は、保管に場所を取らないのも大きなメリットと言えるでしょう。
雑誌は1冊や2冊程度ではかさばらないと思いますが、毎月新しいものを購入する必要がありました。また、万が一紛失してしまう恐れもあります。電子書籍ですと、毎月自分で購入したり破棄する手間を省けるので、場所と時間を有効に使えるでしょう。
画面上に落ちた髪を容易に取り払える
紙媒体の雑誌を取り扱っていると、どうしてもページに髪の毛がついてしまいます。また、床に落としてしまうこともあり、その度にスタッフの方は雑誌をキレイにする手間が発生していました。少しの手間でも、1日何度も行うとなればそれなりの労力が必要となってきます。
タブレットの場合だと、画面上に髪の毛が落ちてもサッと拭くだけで処理ができます。これまでの紙媒体の雑誌をキレイにする手間と比較すれば、雲泥の差となってくるでしょう。このようにタブレットを導入すれば、スタッフの方の手間仕事が減るメリットが生まれてきます。
衛生面でも優れている
衛生面でもタブレットの方が優れています。紙媒体の雑誌だと手垢や棚の汚れなどで、どうしても汚れが目立ってきます。さらに悩ましいのは、雑誌のページをめくる時に、指を舐めてめくるお客さまがいる場合です。これをやられてしまうと、もうその雑誌は処分するしかありません。咳やくしゃみをする際に、雑誌で顔を覆ってしまうお客さまもいます。そうなると、雑誌を消毒する訳にもいかず、これも処分になるでしょう。
タブレットの場合は、そのようなことは一切ありません。タブレットを指で舐めて操作する方は皆無ですし、咳やくしゃみをする時に、タブレットで顔を覆うこともありません。汚れても、クリーナーで拭けばキレイになります。衛生面では紙媒体の雑誌よりも格段に、タブレットの方が優れているのでスタッフの気苦労も軽減されることでしょう。
顧客とスタッフの管理がしやすくなる
先にタブレットで、顧客管理ができる点をお伝えしました。また、スタッフの勤怠管理も可能であることもお伝えした通りです。顧客管理もスタッフ管理もやり方は色々ありますが、2つを別々の方法で管理すると、管理側に手間が発生します。
その点、タブレットにそれぞれのアプリをインストールしておけば、タブレット内で全てを管理できるので管理側はとても便利で手間なく楽になります。顧客管理においては、情報をスタッフと共有できるのでお店自体のサービス向上に繋がります。
スタッフ管理においては、出退勤記録がスムーズになり間違いもなくなるので、スタッフも安心できるでしょう。タブレット導入は、スタッフ管理や顧客管理に大きなメリットが生まれてきます。
- 紙カルテを辞めたい
- 在庫管理を自動化したい
- レジ締めを楽にしたい
- リピート率を上げたい
美容室にタブレットを導入する4つのデメリット
ここまでは、美容室にタブレットを導入するメリットをお伝えしてきましたが、やはりデメリットも存在します。ここでは、タブレットを美容室が導入すると、どのようなデメリットが出てくるのか、4つのデメリットをお伝えしましょう。
画面割れのリスクがある
紙媒体の雑誌を落としても、雑誌の角が凹むか、髪の毛まみれになるかで、雑誌自体が破れて読めない状況にはなりません。しかしながら、タブレットの場合は落としてしまうと、落ち方によっては画面が割れてしまうリスクが高いです。
タブレットの画面が割れてしまった場合、iPadですと画面修理は可能ですが、修理費が10,000円以上かかります。また、タブレットの種類によっては画面だけの交換ができない機種もあるので、買い替えるケースもあるでしょう。
画面が割れただけで修理できれば良いですが、落としたショックで本体が壊れてしまうケースも考えられます。お店にとっては痛い出費になってしまいますし、お客さまが落とした場合だと、お客さまが恐縮してしまう場合もあります。
タブレットは精密機器だけに、落としてしまうと色々と大変な状況が生まれてしまいます。このことは、タブレット導入に関してデメリットと言わざるを得ません。
頻繁に充電するおく必要がある
タブレットで電子書籍を読んだり、映画や動画を鑑賞したりするにはバッテリーが必要となります。
特に映画や動画の鑑賞時には、多くのバッテリーを消費します。お客さまが使用中にバッテリーが切れてしまうと、タブレットは使用不能となってしまいます。ですから、毎日十分にバッテリーを充電しておく必要があるのです。
さらに、営業中もお客さまが交代する際には、各タブレットのバッテリー残量を確認する必要もあります。雑誌のようにただ置いておけば良いモノではなく、タブレットを使用するには「管理」が必要となります。
もしも、バッテリーチェックを怠ってお客さまが映画を鑑賞中にバッテリーが切れると、クレームになりかねません。対応が悪ければ、お店の信用に関わるトラブルに発展する可能性もあります。もしもの時に備えて、予備のタブレットを用意するなどの対策も考える必要があるでしょう。タブレットを導入すると言うことは、タブレットを管理する作業が必要となります。
この点は雑誌と違って、デメリットとなってしまいます。
安定した通信環境で利用する必要がある
タブレットで電子書籍を読んだり映画や動画を楽しんだりするには、インターネットに接続しなければなりません。当然ですが、店内にはWi-Fi環境を整えておく必要があります。
独立店舗の場合は多くが店舗内にWi-Fi用のルーターを設置しているはずなので、店内の通信環境は問題ないでしょう。
住居兼の店舗の場合は、Wi-Fi用のルーターを住居スペースに設置しているケースが多いです。このケースの場合、店舗へのWi-Fiの通信速度が弱くなる傾向が強く現れます。そうなると、お客さまが利用中に映像が途切れるケースや、電子書籍のページがめくれないトラブルが発生しやすくなってきます。
映像が途切れてしまうと、ストレスになってくるのはお分かり頂けるでしょう。このケースが起きると、やはりクレーム事案となってしまうことが多いです。
店舗専用にWi-Fi用のルーターを設置するか、中継器を設置して通信環境を良好にしておく必要があります。通信環境の整備になるとそれなりの知識が必要となり、店舗だけで対応できず、専門の業者に頼む必要があるかも知れません。
費用面と時間が必要となるので、この点はタブレット導入のデメリットと言ってよいでしょう。
操作に不慣れな顧客もいる
タブレットの使い方が分からないお客さまも存在します。紙媒体の雑誌の場合は、雑誌を置いておくだけでお客さまは問題なく雑誌を読み進めていきます。
ですがタブレットで電子書籍を読む場合は、ページをめくる動作をタップで行う必要があります。
電子書籍のリーダーにもよりますが、キチンと所定の個所をタップしないとページをめくることができません。また、ページを飛ばすにも専用の方法が必要です。理解されているお客さまばかりだといいのですが、現実はそうはいきません。
タブレットに不慣れなお客さまがいるのも確かです。そのようなお客さまに操作方法を教える手間も発生しますし、教え方が悪いとクレームの対象となってしまうケースもあります。そうならないためには、スタッフ全員がタブレットの全ての操作方法をマスターし、上手な説明ができるように勉強会を開く必要もあります。
また、スタッフの中にもタブレットの操作に不慣れな方がいるかも知れません。しかも、操作方法をお客さまに分かりやすく教えるスキルも必要です。これらのことは、タブレット導入のデメリットとなってしまうでしょう。
ただ、現在の多くの店舗スタッフでは、タブレットの取り扱いにも慣れている方が多いですし、操作方法もスマートフォンと変わりないので、ほとんど問題はないでしょう。特に問題となるのは、やはりタブレット操作に不慣れなお客さまに対するレクチャーになりますね。
- メルマガを送信したい
- 電子カルテを導入したい
- iPadで管理したい
- 格安で導入したい
美容院でタブレットを導入すると、どのような状況となるかお伝えしてきました。
タブレットを導入すれば電子書籍が読み放題となるので、紙媒体だとかかっていた雑誌代の削減が可能となります。その金額は大きく、年間50,000円以上が節約可能です。
また、顧客管理やスタッフ管理も便利になってきます。保管に場所を取らないのも嬉しいポイントのひとつでしょう。
しかし、メリットばかりではありません。落とした際には「破損」する可能性が高いので、取扱いには注意が必要ですし、営業中にバッテリーが切れないように管理するする必要もあります。さらには、スタッフ全員がタブレットの操作方法を熟知しておく必要もあります。
ですがメリットとデメリットを比較すると、今の時代では、ほとんどのスタッフは問題なくタブレットを扱うことができるでしょう。壊れることも想定して、長期保証に加入しておくなどの対策を講じておけばデメリットも解消できます。これからの時代は、美容院にはタブレットが必須アイテムとなってくるのは間違いないでしょうか。