美容院と美容室、理容室と床屋などなんとなく同じものを指しているもののなぜ呼び名がいくつもあるのか、違いはあるのかなど疑問に感じている方も多いのではないでしょうか?
そこで、それぞれの呼び名の違いや美容室と理容室の細かい業務内容の相違点、どちらの方が儲かるのかや今後の理美容界の展望などを紐解いていきましょう。
是非参考にしてみてください。
- サロンのリピート率を増やしたい
- クーポンサイトを脱却したい
- LINEでの予約管理が大変
- 予約はリザービアで一元管理
目次
美容院と美容室、理容室と床屋の違いとは?
美容室と美容院、ヘアサロン、理容室と床屋など、なぜいくつも呼び名があるのか疑問に思っている方もいるでしょう。そこで、それぞれの呼び名の由来や違いはあるのかについて解説します。
それぞれの呼び名で、どれが一番広く使われているかも紹介しますので、参考にしてみてください。
美容院とは?|美容院=美容室
実は、美容院・美容室はどちらも通称で、正式には「美容所」です。厚生労働省が示す「美容師法概要」[※1]でも美容所とされています。
広辞苑などでは美容院として記載されていますが、美容業界の人の中では「美容室」が多く使われるとのこと。理由として、「びよういん」という言葉を「病院」と聞き間違えるのを防ぐためだという説があります。
美容室と美容院、どちらが多く使われている?
では、実際に美容所と美容院、美容室ではどの呼び名が一番使われているのか気になります。
Googleトレンドで調べてみると、日本全国平均では美容室が63%以上と多数ですが、地域性があるようで、美容院が60%以上を占めるところもいくつかあります。
美容所は正式名称のわりにほぼ検索されておらず、知名度としてかなり低いことがわかります。
理容室とは?|理容室=床屋
こちらも正式名称は理容所で、理容室・床屋はどちらも同じです。床屋の由来は江戸時代の髪結いで、当時独特の髪形であるちょん髷や丸髷は、専門職の方に結ってもらうのが一般的でした。
床屋の由来には所説ありますが、髪結い所に床の間が設えられていたことから、髪結い所のことを床屋と呼ぶようになったといわれています。
理容室と床屋、どちらが多く使われている?
こちらも理容室と床屋では、どちらが多く使われているのか見てみましょう。
高知県では100%床屋で検索されており、その他28の県でも60%以上が床屋でした。理容室が50%を超える県もありますが、全国的に床屋の方が多く使われているのがわかります。
ヘアサロンと美容室・理容室はどう違う?
近頃ではヘアサロンというのもよく聞かれますが、なんとなく髪に施術をする場所だということは理解できても、美容室や理容室とどう違うのかははっきり知らないという方もいるのではないでしょうか。
サロンとは、もともとフランス語で「客間」を意味し、その後、上流階級の社交場などを指すようになりました。ヘアサロンは社交場やおもてなしをする場所、また客間のようにくつろいでほしいという気持ちを込めて、美容室・理容室両方で使用されています。
美容師と理容師の違い
美容師と理容師は資格試験の内容も違い、法律も美容師法、理容師法と別々に規定されています。
もともとは施術の目的も違いましたが、平成27年の改正によって、それまで認められていなかった美容師の顔そり(ただし眉を整えるなどメイクの一部と捉えられる軽いもの)、理容師のパーマやヘアカラーが認められたことで、その垣根はほぼなくなってきているのが現状です。[※2]
ただし、現代においても美容師・理容師それぞれにしか認められていない行為もあるので、紹介します。
顔そりは理容師
カミソリを使った全体の顔そりは理容師だけが認められています。シェービングによるもみあげや襟足をきっちり揃える技術は理容師の得意分野で、清潔感を感じさせ、仕上がりもきれいに。
また、ブライダルシェービングなどでうなじや背中のムダ毛を整える場合のシェービングも理容師だけができる仕事です。
メイクやヘアセットは美容師
首から上の美容行為は美容師だけに認められています。美容行為にはカットやカラー、パーマだけでなく、メイクなども含まれます。
カラーやパーマは理容師もできるようになりましたが、ヘアセット、メイク、まつエクなどは美容師だけができる仕事です。
美容室の数は増加、理容師・理容室の数は減少傾向にある
厚生労働省が発表した施設数の推移によると、令和3年度の美容室の数は26万4,223軒で前年より6,333軒の増加、理容室は11万4,403軒で前年よりマイナス1,053軒でした。[※3]
コンビニより多いといわれる美容室は今もなお増え続け、理容室は減少傾向にあることがわかります。
1回あたりの利用金額は男女ともに上昇
2022年上期の美容センサス(ホットペッパービューティーアカデミー)[※2]によると、理美容室で使う1回あたりの金額は、女性で7,345円、男性で4,553円で、男女ともに過去最高金額を更新しました。
明るい髪色の流行でカラーリング、手軽に癒しを得られるオプションメニューとしてヘッドスパの利用が増えたことなどが挙げられ、今後さまざまなサービスで売上を伸ばせる可能性を秘めています。
また、男性の施術で眉カットやヘッドスパが利用意向の上位に入っていることにも注目です。男性の美意識の高まりやメンズコスメなどの普及で、美容にかける金額は今後も上がっていくと予想できます。
関連記事:理容室にも予約制度は必要?期待されている理容室の新時代
美容室と理容室、開業するならどっちが儲かる?
それぞれに強みがある美容室と理容室ですが、今から資格取得、開業をするならどちらが儲かるのか気になります。
どちらにも専門的な得意分野があるため、強みを活かせるメニューの開発や集客のアピールをすることで、売上を伸ばせるでしょう。
理美容室それぞれの特色と強みを見ていきましょう。
美容室は高単価メニューが売れる
先ほども紹介したとおり、女性が美容室で1回あたりに使う金額は男性よりも高めで、髪のケアや癒しに惜しまずお金を使う傾向があります。そのため、美容室はヘッドスパやトリートメントなどをセットにした高単価メニューでも売れる可能性が高いといえるでしょう。
また、女性向けの美容メニューにはまつげパーマや縮毛矯正などもあり、男性よりも幅が広いラインナップが特徴です。その分、集客のチャンスが多いのも強み。
豊富なメニューを提供するため効率よく店舗運営を続けるには、システムの導入で施術以外の業務を少しでも減らすことも重要です。
理容室は安定した経営ができる
男性はクーポンサイトを利用して新規のお店を渡り歩くというよりは、気に入った同じお店に通い続けるという傾向があります。また、利用頻度も女性が3ヶ月に1回程度であるのに対し、男性は1~2ヶ月ごとと短いスパンでの利用が目立ちます。
そのため、安定した売上が期待でき、長くお店を続けていけるでしょう。
また、理容師の強みであるシェービングで、女性客を呼び込むことも可能です。美容シェービングをアピールして、差別化することで売上アップも。
前述したように理容室の数は減少傾向にありますが、背景には理容師免許を取得する人が減っている分、後継者不足でお店をたたむことを余儀なくされたオーナーも多いことが考えられるため、理容室の開業はチャンスだともいえます。
関連記事:おしゃれなバーバーが人気な理由とは?バーバーとして集客するメリットやポイントについても紹介
美容室・理容室、同一店舗で開設するという選択
もともと厚生労働省の通達で、理容師と美容師は同じ場所で営業できないとされていました。ところが平成27年にこの規制が緩和され、現在では重複営業が認められています。
ただし、同一施設での営業をする場合、一定の条件を満たす必要があります。
店舗で働く人が全員ダブルライセンスである
美容室・理容室を同一施設で開設するためには、理美容室それぞれの衛生条件をクリアしなければなりません。また、店舗内の従業員がすべて理美容師のダブルライセンスであることも条件。
美容師・理容師免許は通学の場合でそれぞれ2年の課程が必要なため、ダブルライセンス取得はハードルが高く、全国的にも多くないのが実情です。
ダブルライセンスは取得しやすくなっている
これまでダブルライセンスを取得するためには、美容師・理容師のコースをそれぞれ2年間履修しなければならず、4年間も学校に通う必要がありました。また、すでにどちらかの免許を持っていても試験の減免措置などはありませんでした。
そこで、厚生労働省は同一施設営業の規制緩和と並行して、理美容師の免許を持っている者がもう一方の資格をとりやすくするため、履修時間や試験での免除制度を施行。
どちらかの資格を持っていれば、履修科目を一部免除にした上で、必須履修時間も半分に。また、試験の内容も一部免除措置が受けられるようにし、ダブルライセンスの取得を後押ししています。
美容室・理容室の予約はネット予約が主流になりつつある
サロンの予約方法は電話やサロン利用時に次回予約を入れるという方法ではなく、ネット予約が主流となってきています。
2022年上期の美容センサスの調査[※4]では、美容室・理容室の予約方法としてネットを利用すると答えた方は、女性で53%、男性で48.9%。約半数の方が男女問わずネットでの予約をしており、その利便性から今後もその割合は増えていくことが予想されます。
ネット予約に対応できるかどうかが、理美容室の集客で今後重要になってくるでしょう。
美容室・理容室の運営には集客もできる予約システムリザービアがおすすめ
ネット予約の窓口として、ポータルサイトや自社サイト、SNSなどがあります。それらの多様化する予約方法にも対応していかなければなりません。
そこでおすすめしたいのが予約システム「リザービア」。リザービアは連携できる媒体が多く、集客にも利用できる点が魅力的です。
リザービアの便利な機能を一部、紹介します。
LINEやGoogleで予約、Instagramなどと連携
高齢者にもユーザーが多いのが特徴のLINE。人口の7割が利用しているというデータもあるほど日本国内で浸透しているアプリですが、そのLINEを予約窓口にすることで予約効率が上がり、リピータ―にもつながりやすくなります。
また、Google検索やマップ検索に店舗情報とともに予約ボタンを表示させることで、検索から直接予約へと繋げることも。Instagramでは、投稿やハッシュタグから予約ページへ遷移させることができるため、さまざまな媒体を集客窓口として活用可能です。
複数の予約サイトからの予約を一括管理
ホットペッパービューティーやミニモなどのポータルサイトを集客に利用しているという理美容室も多いでしょう。少しでも予約数を上げるために複数のサイトを利用している場合、予約のダブルブッキングや予約時間の調整には気を遣います。
そういった複数経路の予約をシステムが一元管理、自動で予約枠を調整してくれるため、ダブルブッキングの心配がなくなり、予約枠の調整など時間的なコストを減らせます。
POSシステム連携で高度な売上分析を集客に活用
リザービアはPOSシステムとも連携できます。「A’staff Cloud Smart」との連携でリザービアの顧客情報と売上情報を分析。さまざまな組み合わせで分析することで、店舗ごとにマッチした集客方法やメニューの開発など、売上向上の施策に活かすことに役立ちます。
POSレジの導入でさまざまなキャッシュレス決済にも対応、タブレットレジのため、業務効率も上がるでしょう。
- 紙カルテを辞めたい
- 在庫管理を自動化したい
- レジ締めを楽にしたい
- リピート率を上げたい
違いがなくなりつつある理美容室。付加価値の提供で差別化をはかろう
規制の緩和で理容室・美容室の違いはほとんどなくなりつつあり、美容室は女性、理容室は男性が行くものという概念がなくなる日も近いかもしれません。
美容室でシェービングができれば提供するサービスの幅が広がり、理容室でまつエクやヘアセットなど女性向けのメニューを増やすことで柔軟な営業が可能になります。
現状はそれぞれの資格にしか認められていない施術もあるため、ダブルライセンスを目指すのもおすすめ。
ネット予約への対応や業務効率化を目指すなら、リザービアの導入を検討してみてはいかがでしょうか?
引用元
※1:厚生労働省:美容師法概要
※2:厚生労働省|理容師・美容師制度の概要等について
※3:厚生労働省|生活衛生関係施設数の年次推移
※4:ホットペッパービューティーアカデミー|美容センサス 2022 年上期
厚生労働省|理容所及び美容所における衛生管理要領
e-Stat|衛生行政報告例 / 令和3年度衛生行政報
厚生労働省|理容師法施行規則及び美容師法施行規則の一部を改正する省令の施行等について(通知)