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恵比寿の人気サロンオーナーが語る、美容師がシェアサロンを経営する強みとは?

  • WEC Hair & Eyelash / Kenji様
  • 恵比寿 /

「WEC Hair & Eyelash」は、2012年の開業以降、サロン激戦区の恵比寿で人気のサロンです。

オーナーのKenjiさんは、ロンドンとニューヨークでの美容師経験があり、その評判から、海外のお客様も多く訪れています。

今回は、「WEC Hair & Eyelash」オーナーのKenji様に、シェアサロンの潮流と海外のお客様から人気の秘訣を尋ねました。

オーナーが美容師である強みを活かしたサロン経営

以前(2017年のインタビュー)から現在では、シェアサロンを取り巻く市場も大きく変わっています。現状の市場の変化は、お店にどのような影響を与えていますか?

よく私は例として、寿司屋と寿司職人の話を挙げるのですが、回転すし店のように低価格帯の大衆向け店舗がたくさん増えて人気を集めていても、すきやばし次郎のような寿司職人が握る高級店にもお客様は来るように、ヘアサロンも結局はお客様の需要を満たせるかどうかだと考えています。

確かに、シェアサロンは市場に増えてはいますが、私の店舗も恵比寿で検索すれば上位に来ますし、お客様がサロンを選ぶ上でも、当店は引き続き候補となるサロンであると考えています。

2017年に比べて、現在では、業務委託で働く美容師も増えており、最近ではシェアサロンのオーナーに他業種から入ってきた方も増えてきています。

新規参入の方がサロンを開業していく一方で、撤退して閉じるケースも増えているようで、業界全体の回転率の速さが上がっているのは事実として感じています。

他のシェアサロンと、WEC Hair & Eyelashの違いはどのような点にありますか?

あくまで「シェアサロン」というくくりでは同じですが、美容師がオーナーをしている場合と、他業種のオーナーが経営している場合では、中身はかなり違います。

私の場合、自分が美容師だからこそ、美容師が抱えているペインがわかる部分があると自負しており、スタッフも長く働く環境を求めてうちを選んでくれるケースが多いです。

例えば、当サロンでは出産したスタッフのために託児スペースの用意をしていますし、スタッフが育休から復帰した後もお客様が戻ってくるようにサロンがサポートします。

また、自分のこれまでの経験を活かし、一般的に美容師に求められるスキルはもちろん、自分の知り合いからもらう映画の仕事へのアサインや、海外からのお客様への接客等、シェアサロンでありながら、スキルを上げられる環境を持っているので、そこはうちの強みと言えると思います。

以前の理美容業界では、「正社員最高論」があり業務委託はどちらかといえば少数派でしたが、現在では業務委託が稼げることも広く知られていますし、コロナ禍以降美容師のキャリアは流動的になっています。

うちのサロンも、働き手から色々と比べられているとは感じていますが、結果としてうちの美容室の場合、オープン当初から働いてくれているスタッフもいますし、10 年以上勤務を続けてくれているスタッフもたくさんいます。そのため、外の違う事業からの参入があっても今はそこまで慌てる必要はないと感じています。

他業種からもオーナーが入ってくる中で、美容師がオーナーをしているサロンの強みはどのような部分でしょうか。

WEC Hairのブログでは、専門的な技術の積極的な情報発信を行っている

例えば自分が新しい薬剤を試して、良いものがあれば使い方を働いているスタッフにも展開しますし、ここにいるだけでどんどん情報が入ってくる環境だと思います。

単価に見合うパフォーマンスが出る良いサービスを提供できれば、お客様にも喜ばれますし、スタッフも単価を上げられますよね。

カラー剤ひとつとっても、倍ぐらいの値段の差があったりするので、業界外の経営者からすればコストを下げたくなると思いますが、品質の違いは美容師が触ったら一発でわかります。

こうした技術のバックボーンがある点は、私が美容師である強みであると言えますし、スタッフ採用にも活きてきます。

最近では他で働いているけど、自分の技術が心配というスタイリストが、うちに相談に来るケースも増えています。

フリーランスサロンにおいて、スタッフへの集客はどのように実現していますか。

もちろん、スタッフはフリーランスなので、SNS等で各々に集客をやってもらいますが、フリー枠の一部を開放したり、あとはメイクが出来るスタッフだったら、ヘアメイクできるならヘアメイクの仕事を紹介など、働き方を提供しています。

うちの場合、映画関係の繋がりもあるので、要請があればスタッフに 1 週間とか行ってもらうケースもあり、そのままずっと映画関連の仕事を持っている人もいます。ヘアメイクの仕事をしながら、自分のいつものお客様を担当するぐらいで十分回っているというスタッフもいます。

撮影の現場へ紹介できるのは強みですね。どのようにしてスタイリストは仕事を得るんでしょうか。

映画はプロ同士の信頼関係で成り立っているので、完全に評判で動く業界です。あとは私の友達が忙しくなりすぎた時に、知らない人を入れるくらいなら私に相談した方が早い、みたいな感じで電話を貰うこともあります。

ヘアメイクの仕事って、カットが出来ない人や技術がない人もいたりするので、現場でちょっと整える、直すような作業ってかなり需要があって、それをうちに頼んでくれるケースは結構あります。

こういう仕事って外に向けて募集をしないですし、撮影は前日夜とかに急に決まるケースとかもあるので、「1日でいいから」とか、「髪を切れないヘアメイクが多すぎるから来てくれ」とか言われるケースもあります。

WEC HairさんのInstagramより

それこそ「るろうに剣心」の協力をした際は、 200人を切らなきゃいけないのに数が足りないからとオファーを受けたこともありました。

ただ、ヘアメイクの現場に紹介したスタッフが継続して仕事を貰えるかどうかは、ほとんど本人の技量ですね。

例えばスタッフの中には、今までヘアメイクをやったことなかったのに、私が「こういうことして」と事前に叩き込んでから、現場に1回連れて行ったら、そこですごい評判良くなっちゃって、今でも仕事が続いている人もいます。

ただそこは100%実力の世界で、本当に厳しいから、1回でイマイチだったら2度と呼ばれないこともあります。

海外ポータルサイトで評判!SNSに頼らない集客を実現

集客に関して、以前の記事では SEO に関するお話がありましたが、現在では集客の手段に変化がありましたでしょうか。

これまでも検索で読まれるように記事を書いてきたことが評価されたのか、今は記事を書くとGoogle Discoverに表示されるようになっていて、そこが結構大きい流入元になっています。

あと自分は、SNSはあまり頑張ってないんですよ。個人的に好きじゃないのもあります(笑)。うちのお店でも、お客様が YouTube を撮るのは禁止しています。

今は、自分でコンテンツを発信して当たり前の業界になったと思うんですけど、中には質の低い情報もめちゃめちゃ多いですし、真似してるだけのコンテンツもあふれています。

その中で、本当に大切なものを知りたい時って、多分皆SNSだけで情報を得るのではなく、Googleを使ったりオフラインの他の情報源を頼ると思うんです。

例えば就職しようと思って会社を調べるときも「〇〇株式会社 評判」といった感じで、ちゃんと自分でGoogleで調べてから会社を選ぶと思います。

そのように、なんだかんだうちのサロンに関する情報を見つけてきていただいたお客様に、頼ってもらえるケースが多いです。

海外からのお客様が多いとお話を伺っています。どのように集客を行っているのでしょうか。

恵比寿という土地柄もあると思いますが、トータルで全体の3割強が海外のお客様です。私含め、英語を喋れるスタッフが全体の4割いますので、海外のお客様にも気兼ねなく通っていただける店舗づくりが出来ていると思います。

海外からのお客様は、レギュラーでも関東以外の県から来るお客様も多くいらっしゃいますし、中には国外にお住まいのお客様もいます。

また、観光客の方もかなりの数が来てくれます。面白いのが、Reddit(海外の掲示板)に、うちのサロンのめちゃくちゃいい評判が書かれてるらしく、観光客のお客様に「どこでお店を知ったの?」と聞くと、「Redditで見た」と言われるケースが結構あります。

その結果、RedditやGoogle のレビューから一定数のお客様が来てくれます。結局最後は、口コミなのかなと思っています。

海外のお客様から高い支持を受ける理由は、どの部分にあるのでしょうか。

たぶん、日本で髪は切ってみたいけど、英語通じなかったらどうしようという不安を持っているお客様が来てくれているんだと思っています。

正直、日本で髪を切りたいならどこのお店でも行ったらいいじゃないかと思いますし、お客様にもそのようによく言っているんですよ(笑)

ただ、海外からのお客様からすると、日本で髪を切る以上、やっぱり失敗したくないから色々と評判を調べているんだと思います。

その結果、RedditやGoogleを見て、みんなが言ってるから来る、みたいなケースが多いんじゃないでしょうか。

中には 、1ヶ月以上前に日本への飛行機のチケットを取った時に連絡してくれた方もいまして、そういうのって凄くありがたいと感じています。

このサロンには、本当に世界の至る所からお客様が来てくれるので、自分がロンドンやニューヨークに居た時よりもよっぽどインターナショナルな環境ですね。

インバウンド集客にリザービアを活用。今後は海外展開を計画

WEC様には、8年もの間、予約システム『リザービア』をお使いいただいております。どういったところを気に入っていただけていますでしょうか。

インバウンドに関しては、リザービアを絶対外せなくなっちゃったからというのが大きいですね。

かれこれリザービアを導入して8年以上経っているので、このお店の歴史の半分以上はリザービアを使っています。

「Googleで予約」も便利ですが、もともとリザービアは仕組みがめちゃめちゃシンプルで、凄いと思ったのが最初の導入を決めた理由でした。

機能も増え、だんだんちょっとずつ複雑にはなってきているとは思いますが、でも誰でも使えるなと思うくらい、変わらずシンプルな部分が凄いと感じています。

色々といじりやすく助かる部分もありますし、今後新たにリザービアと組み合わせて試したい施策も考えるなどしています。

サロン経営を長く続けるにあたって、意識している点を教えて下さい。

お店を出してから12年経って、正直自分が最初に考えたことはとっくに終わっているので、今は自分の仕事よりもスタッフを最優先に考えています。

元々、最初に海外に渡った時は、 1 年だけ海外に行って戻ってきたら独立しようかなと考えていました。

結果ロンドンには3年いましたし、そこからニューヨークに渡って、横浜で働いて恵比寿で独立して今みたいな状況になるなんて、1ミリも想像もしていませんでした。

よくスタッフに対して言うのは、「『美容業界を良くしたい』とまではいかなくても、うちのスタッフだけは絶対損させないようにする」と伝えています。

試行錯誤しながら、色々と新しい方法を見つけて、今もやっているからこそ、スタッフが子供を産んでも戻ってくれるし、福岡に戻るスタッフがいたら天神にお店を出したりできる環境が作れたんだと思います。

まだ全然先ですが、この間引っ越したスタッフがいるから、もしかしたらそっちの方にも店舗を出すかもしれませんし、本当はこの仕事ってずっと続けられるはずなので、スタッフがどこかでリタイアしてやめるぐらいだったら、こういう感じで続けてみたら?と新しい形を提案したり考えるのが今のやりがいになっています。今は自分よりもスタッフですね。

Kenji様の今後の展望を教えて下さい。

海外には10 年以内に進出したいと考えていて、志の高い美容師は海外に多くいると思うので、直接海外に出向いて、自分の技術を海外の人に教えたいです。

正直、日本で知り合う若い美容師に危機感を持っている部分もあります。以前より志の高い人間が見つけづらくなったように感じているんです。

「勉強した」って言って、動画だけ見て勉強したフリをしているのは本当にダメです。

どの業界もそうだと思うんですが、当然美容師もトライ & エラーを繰り返しながら実際に手を動かさないとわからない部分が相当あります。

今って情報の数はめちゃくちゃある分、本物の情報が手に入りにくい世の中なので、本当に学ぶ意欲のある志の高い人に向けて、自分の技術を伝えていきたいと考えています。

取材後記

WEC Hair Groupでは、現在恵比寿・天神の2拠点にて、働く美容師を募集しています!

フリーランスサロンでありながら、トップレベルのスタイリストになれるための環境が用意されています。

ぜひ、ご興味のある方は「WEC Hair Group」の求人サイトをご覧ください!

  • WEC Hair & Eyelash
  • 東京都渋谷区恵比寿1丁目21−17 2F WEC Hair & Eyelash 恵比寿店
  • https://wecweb.jp/

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