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若手を新規店舗の責任者に抜擢、会社の成長を支える文化とは?

  • BARBER SHOP 秋葉原 / 店長 福田 健人様
  • 秋葉原 / 10名

2005年に銀座で1号店をオープン、現在では都内を中心に20店舗以上を展開するHIRO GINZA。リザービアではHIRO GINZAに予約システムを提供しています。HIRO GINZAでも数店舗の出店であったBARBER SHOPという新しい形態での新規出店の店長を任された福田店長にこれまでのキャリアや「BARBER SHOP 秋葉原」のオープンから現在までの取り組みをお伺いしました。

キャリアの選択とHIRO GINZAとの出会い

本日は福田様のご経歴、HIRO GINZAを選ばれたご理由、HIRO GINZAとは違うBARBER SHOPの魅力などをお伺いさせてください。

早速ですが、福田様はどうしてこの業界を選ばれたのでしょうか。

実家が床屋だったわけでもなく、普通のサラリーマン家庭でした。高校生の時にこのまま大学に行ってもダラダラ遊んで終わってしまいそうだという漠然とした危機感がありました。そこで、手に職をつけて、長い間やっていける職業を考えるようになりました。お客様と直接関わって人の髪を格好良くして「ありがとう」と言ってもらえる点が魅力的に感じました。そうして、この業界に進むことを決めました。

やってみるとハマっていったという感じですか。

そうですね、天職を見つけたという感じですね。

自分が全然知らない世界のことをたくさん学べる時間がすごく楽しいです。また、当社には先輩も後輩もすごくたくさんいます。後輩と一緒に御飯を食べに行ったり、朝の研修では先輩にご飯を食べながらいろいろ教えてもらっています。HIRO GINZAの仲間がたくさんいることは他の床屋にはなかなかない環境で自分にとってすごくよかったです。入って本当によかったなと思っています。

就職先はどのように探されたのですか。

「夢」たとえば「独立したい」とかも持たずに専門学校に通っていました。でも、根底には働くなら年収1,000万やお金持ちになりたいという思いもありました。学校にたくさん求人が届くんですが、給料が高いところを見ていきました。そこでHIRO GINZAが目に止まりました。まず初任給が高くて、歩合の制度もすごくしっかりしていました。極端な考え方かもしれませんが、ちゃんと働いた分だけお金をもらえる環境で働きたくて選びました。

本当に選択してよかったという感じですね。

実力以上の待遇をいただいている、将来に投資してもらっている感じですね。専門学校を卒業したばかりのまだ20歳で、入社当時の初任給はだいたい手取りで22万ぐらいありました。それに対して感謝の気持ちがあります。「将来もっとやってやる」という感じですね。本当に先行投資してもらっていると感じています。

店舗が多くありますが、配属先は決められるのですか。

そうですね。希望を出すことはなく、上の方たちが決める形ですね。家が遠くて通勤に2時間かかるような店舗にはならないように配慮はいただいています。基本的に希望を出して移動することはないですね。

1年目はどちらに配属だったのでしょうか。

1年目は毎月移動があります。アシスタントの時は毎月移動します。初月は御徒町、2ヶ月目で神田という感じで、色々な店舗の雰囲気や技術を教わりました。本当にさまざまなことを吸収する1年でした。その中で自分なりのやり方を見つけたり、目指す先輩を見つけたり、でした。

最初に多くの方から教わることで迷うことはありませんでしたか。

そうですね、いろいろなやり方を教えていただきます。それに対しては自分なりに吸収して、引き出しを増やしていくというスタンスが必要だと切り替えることができました。一方、それができずにこの人からはこれを教わったのに…となってしまう方もいます。経験を積ませてもらっているという感じで受け止めることが大切だと思います。

壁を乗り越え、秋葉原店の立ち上げへ

1年経ってからはどちらに移りましたか。

新橋の日比谷口店で1年半働かせてもらいました。初めて固定の店舗になるので、みんな気合が入りますね。私もやる気は十分だったのですが、そこではあまり結果を出せなくて…挫折までいかないですが、1回目の壁に当たったという感じです。

同期の数字が少しずつ伸びていって、数字が伸びない自分に「やばい」と焦っていました。

振り返ってみた時に原因はわかりますか。

自分が子供だったと思います。当時はお客さん目線というより「僕、すごくうまいんで」みたいなタイプで、独りよがりなカットをしてしまっていたと思います。お客様が求めているものを提供できていなかったですね。若かったなと思います。そこから神田に移って3年ですね。

秋葉原店はオープンしてからどれくらい経ちましたか。

5月17日にオープンして5ヶ月が経ちました。

店長になると決まった時は急に営業時間が終わる前の時間帯に電話がきました。電話をもらった時は川崎のお店もオープンするタイミングでした。同期が川崎の店長をする予定だったのですが、その同期から電話が来ました。同期だったのでちょっとふざけて出たんですよね。そうしたら社長の声で、びっくりして「はい!」と返事をしました。すぐに事務所に来てって言われて向かいました。

事務所に着いたら社長と川崎の店長と内装の方がいて「何をやっているんだろう」と思っていたら、社長から「秋葉原での店長、決まったから」と言われました。そこではじめて店長やれるんだな、と。

聞いた時はどのような気持ちでしたか。

「絶対に店長をやる」という気持ちで、常に自分が店長だったらというシミュレーションをしながら働いていました。神田で副店長もさせてもらっていたのですが、これまで考えていたことをやっと試せるとワクワクする感じが強かったですね。自分が培ってきたことを試せる機会をいただけ、ありがたいと思いました。

既存の店舗ではなく、新規の店舗を任されるのは違いがありますよね。

そうですね。設計を引くところから一緒にいさせてもらえます。社長がコンセプトを全部決めるのではなく、その場に参加して「お店をどのようにしたい」かを一緒に立ち上げをさせてもらえます。内装の雰囲気、例えば壁の色をどうするか、組み合わせの色をどうしようかなど、オープンするための準備を1からやらせてもらえました。

本当にここまで自由に勉強させてもらえることって貴重でとてもよい経験をさせてもらいました。ネットを繋いだり、電気・ガスを繋いだりも全部自分でやって、独立している気持ちで取り組ませてもらいながら、経費は全部会社持ちです。

売上から少しずつ返していくシステムですが、オープンでかかる費用にはあまり気にせずいろいろつけてもらいました。「絶対に売上が上がる」という気持ちでした。

設計ではどのような点を意識されましたか。

秋葉原だからとか神田だからといった場所ではなく「HIRO GINZA」と「BARBER SHOP」のブランディングの違いを意識しました。BARBER SHOPは遊び心があり、海外的な雰囲気が大前提となっています。川崎の店舗だとダーツバーがコンセプトになっています。

せっかくなので楽しい雰囲気にしたいと考えて設計しました。全ての席にそれぞれコンセプトを変えていきました。個室が5部屋、オープンが2席の合計7席あります。席数も自分で決められます。図面を作る際には、何席設けるか悩みました。最大限の椅子を配置すれば売上を大きくできますが、個室には最低限のゆとりとリラックス感が必要です。そのラインを考慮しながら、席を最大限に増やせる形に配置しました。

その他、準備にあたって意識したことはありますか。

正直、あまり職人気質ではないんですよね。技術にすごくこだわるというよりは、店舗運営が得意だと認識していて集客力のある店舗にすることが重要だと思います。私自身がやりたいことを優先するのではなく、お客様がたくさん来ていただけるような店舗であり、売上を伸ばすことを優先しています。

私はBARBER SHOPのブランディング、取り組みはトレンドにマッチしていると思っています。もちろん社長もトレンドを感じられていて、BARBER SHOPを出すという結論になっているのだと思います。

川崎と秋葉原以外にも、新宿、神楽坂、横浜、大宮にあり、名古屋にもオープンしました。

HIRO GINZAでの働き方とBARBER SHOPの働き方が少し違うので、オープン前は既存店舗に行って雰囲気などを学ぶ機会がありました。また、BARBER SHOPの特徴にフェードカットがありますが、得意な同期から教えてもらうなど準備を進めてきました。

技術以上の価値提供:大切にする接客サービス

どのようなお客様がいらっしゃいますか。

8割から9割がビジネスマンの方ですね。平日の夜と土日も忙しいです。土日だと出かけるついでに髪を切りに来てくれたり、遊びに来たついでに来てくれるお客様もいます。個室ではヘッドスパやフェイシャルマッサージなどのメニューも提供しています。リラクゼーションメニューがセットのお客様は個室にご案内しています。また、女性のお客様には、個室で施術を行うようにしています。

新規とリピートのバランスはどうですか。

立地がすごく良くて、特に目の前の交差点を利用されるビジネスマンの方が多いので看板を見てくださって認知するケースも多いです。新規のお客様も本当に多く、オープンして最初の3ヶ月だけで新規で約350人が来てくださいました。会社としてのブランド価値が十分にあったことも大きいです。

クーポンも工夫をしています。特に新規のお客様のクーポンでは、目を引くタイトルを意識しています。新規のお客様が多いとスタッフに任せることができるので、成長の機会になっています。スタイル写真を掲載して、さらにお客様に来ていただいてたくさんカットしたいというモチベーションにつながっています。

オープンする前は売上がどれくらいになるのか検討がつかない中で、みんなで頑張ろう!という感じでした。しかし、月に350人ものお客様が来店されると、売上が上がるのが当たり前のような雰囲気になります。その後にどうするかが次の課題になっていますね。

予約受付やリピートしていただくための工夫はありますか。

新しくLINEからの予約にも取り組んでいます。スタッフの反応は結構いいですね。こんなに簡単にできるのなら、お客様にLINEで予約を促しやすいよね、と話しています。個人情報を入力せずに普段から使っているLINEで予約ができるのは手軽で良いですよね。

ネットで埋めきれない予約枠を、電話予約で埋めているという感じが近いかもしれません。ネットだと30分刻みの予約になってしまうんですよね。10分、15分単位で予約を入れられるので電話で予約いただく方には、たとえば10時10分からのご案内ができたり、10時15分に来ていただくことができたりします。ネットと電話の両方をうまく使いながら、予約を取っています。なるべく空きを作らないようにしています。

お客様にしっかりと感謝の気持ちを伝える、元気に挨拶することを大切にしています。カットが上手いだけでは選ばれる時代ではなく、接客でお客様に感動を与えるようなものでないといけないと考えています。

自らが後輩の道をつくる第一人者に

今はどのような課題設定をしていますか。

会社では席あたりの売上目標があります。自分たちでそれを越える目標設定をしていましたが9月に達成できました。年末は忙しくなるのですが、さらに高い目標を掲げ、みんなで達成しようという形にしています。達成するためには1人1人の数字が絶対に必要ですが、それに対してはみんなのモチベーションが高いです。

各メニューの金額を変えることはできませんが、メニューを組み合わせて、クーポンでどれくらい割引をして魅力づくりをするか、という裁量があります。例えばカットにシャンプーやマッサージを組み合わせてどれくらいの割引にしようかなど、付加価値をつける試みはいろいろやっています。

クーポンはキャッチーさがめちゃくちゃ大事なので意識しますね。クーポンはバーっと見ると思うので、見た瞬間に目につくのを心がけています。以前は「ドドドドド定番」と表現し、少し高めのメニューなんですが定番になっていました。新規のお客様だから安い金額にするということはせず、自信があるメニューを選んでいただける工夫はしています。

今後の展望はありますか。

オープン時に立てていた売上目標はもう達成できるな、という予感があります。今はやっぱりスタッフの夢とか目標を叶えてあげたいなっていう点が一番のモチベーションになっていますね。

「独立したい」というスタッフには独立に向けてどのように取り組めばいいのか、「店長になりたい」というスタッフには今の時代で店長になるにはこういう勉強が必要だよ、といったサポートをしています。

店長の上にも役職があり、1店舗だけではなく、会社全体のことを見ることが求められます。今後、そういったチャンス、機会をいただけたら考えも変わってくると思います。40歳、50歳を迎えた時にこの店にずっといるというのは想像しづらいので、変化して、新しい道を作っていきたいですね。後輩たちの参考になるような第一人者になっていきたいです。

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