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お客様の9割が外国人の男性向けヘアサロン。独自のコンセプトで愛されるお店のつくり方

  • Miller's Gentleman's Hair Salon and Spa / 伊藤 奈々様
  • 沖縄県中頭郡

米軍基地の床屋と、アメリカのヘアサロン勤務経験を経て開業。

沖縄本島中部で、外国人のお客様に喜ばれるお店作りをどのようにしているのか。

サロンオーナーの伊藤 奈々様にお話を伺いました。

美容室と床屋、アメリカと日本のいいところを融合

お店のコンセプトや特徴を教えていただけますか ?

コンセプトは和と洋の融合です。

アメリカ人のお客様が多いので「アメリカテイスト + 和」という感じです。

お店の特徴は、男性専用の美容室であることです。床屋より美容室に近くて、美容室と床屋の真ん中ぐらいのお店ですね。

沖縄の地域では、新しいコンセプトになっているかなと思います。

美容室と床屋の真ん中というのは、具体的にどういうものなのでしょうか?

美容室だと、パーマやカラーもありますよね。

床屋は美容室と技術が違います。バリカンを使ったカットや、パンチパーマの施術を受けられると思います。

当店は、パーマのメニューはなく、カラーは白髪染めだけやっています。逆に、バリカンワークとヘッドスパはあります。美容室と床屋のいいところを合わせたような感じです。

メニューはカットとヘッドスパがメインになっています。

メニューはどのように決めましたか?

メニューは、日本とアメリカのサロンのいいところを取り入れています。

アメリカの軍人さんが多い沖縄中部でサロンに必要なものを考えたら、ヘアカットだったんです。

ほとんどの外人さんはカラーをやりません。でも、ヘアカットは必ずやる。

需要があるヘアカットに重点を置き、アメリカでは珍しいヘッドスパを取り入れて、カットとプラス料金でヘッドスパ、全部やりたい人には顔のマッサージまで行うメニューにしました。

お客様は、床屋に行って不満に感じることがあって来られるのでしょうか?

お客様のほとんどが軍人さんでして、基地のなかには軍人さん専用の床屋があるんですよ。

東京にいたとき、私も基地の床屋で働いていたことがあるのですが、歩合制で1人カットすると10ドル、日本円で1,500円ぐらいでやっています。やったらやった分だけ稼げるので、スタッフは皆さん施術を急いでいるんですよね。お客様をさばいて、早く帰してみたいな。

カットサロンでよくある吸引も、シャンプーもありません。

切るだけで、タオルで拭いて「はい、終わり」みたいな感じです。うまく切ろうというより、早く切ってお金を稼ぎたい方がいるようです。なので、カットに失敗して、「外のお店に行ってみよう」という方が多いですね。

アメリカと日本のカットには、何か違いがありますか?

アメリカだと男の人ってほとんどフェードカットなんですよ。

フェードカットはバリカンを使ったグラデーションのカットのことを言うんですけど、歴史も長いんですよね。

だから、頭の色が白から黒に行くまでの過程を気にする方が日本人に比べて多いです。アメリカ人と日本人だと、フェードカットの定義が違うと思います。

日本だとグラデーションになっていたらフェードカットみたいなところがあります。

一方アメリカだと、グラデーションがきれいかきれいじゃないかが大事なんです。きれいなグラデーションになっていないと、アメリカではフェードカットとは言えません。

国によって、カットの文化や価値観が違うのを感じますね。日本と比べると、アメリカのほうが刈り上げの技術が高いと思います。

内装も、日本とアメリカを融合する形にしたのでしょうか?

そうですね。店の壁の一面を日本画にしているんですけど、なぜ入れたかというと、これくらいインパクトがあるものじゃないと、日本って感じがしないのかなと思ったんです。

アメリカの方が好きなものを考えて、LEDの間接照明を入れたり、施術イスごとにテレビを付けたりしています。

内装全部を和っぽくすることも考えたんですけど、それだと異空間すぎちゃうかなと思って、いまの形になりました。逆に、自分がアメリカでサロンに行ったとき、完全にアメリカテイストなサロンだとちょっと気まずさを感じるなと。

なので、アメリカのサロンにあるものをベースにしつつ、日本っぽさを壁一面に取り入れました。インパクトあるものは、お客様の集客にも繋がりますので。

全部アメリカっぽくするより、アメリカっぽさと日本っぽさが融合しているほうが、アメリカの方にとっておもしろいかなと思ったんです。

「あの日本画がある床屋」みたいに、唯一無二のものがあると思い出されやすいかなとも思います。

お客様満足の要は、技術と会話と予約システム

何がお客様に喜ばれて、リピートにつながっていると思いますか?

基本はカットの技術だと思います。

たとえば、私がすごく悪いカットだけどいい会話 —— すごく盛り上がる会話 —— をしたとして、家に帰ってあれってなったときに、あの人いい人だったけどこれを毎回やられたら無理だなって思うと思うんですよね。

なので1番は、私の提供する技術を気に入った方が、リピートしてくださっていると思うんです。

リピートに関連することとして、外人さんはめんどくさがりな方が多い印象があります。電話予約がめんどくさかったり、電話でキャンセルするのがめんどくさかったり。電話したくない人が多いんですよ。

その人たちは、Web完結の予約システムがないと、また行きたいとは思わないと思うんですよね。なので、リピートしてくださる方にとって、予約システムも大事だと思います。

あと会話ですね。

外国の方はよくしゃべる方が多いので、施術中の会話も重要だと思います。「すごくいい会話ができました」とクチコミいただくことがたまにあるんですよね。

リピート率としては、技術と予約システムと会話の3つが柱になっていると思います。

いい会話をするために工夫してることはありますか?

外国の方を相手にしていると、おすすめのお店や観光スポット、日本のカルチャーについてほぼ100%聞かれます。「おすすめは何?」と。

その対策として、良さそうなお店があったら行ってみたり、知識をつけることを意識しています。

アメリカの情勢や、ニュースで話題になっていることについて調べたり。日本の文化と観光地はよく聞かれるので、すごく調べていますね。

新規集客で工夫していることはありますか?

オープンして半年はクチコミを頑張ってお願いしていました。その他に大事なのは、わかりやすさかなと思います。

お店のホームページを開いたときほとんどが写真で、すごいスクロールしないとメニューに行けないとか、たまにあると思うんです。「メニューはどこなの?」みたいなページが。

リザービアの予約ページはすぐにメニューが表示されるので、「すごくわかりやすかった」というお客様の声が多いんですよ。

メニューをシンプルにしているのもあると思うんですけど、(新規予約に)予約ページの見やすさは大きいと思います。迷ったり悩んだりせずに予約できるので。

沖縄のニーズとマッチした、10年間の美容師キャリア

美容師のキャリアと、開業に至るまでを教えていただけますか?

私の母親も美容師で、母の背中を見て育ってきました。美容室に行くのが好きで趣味になっていたこともあり、自分も美容師になりたいと思いました。

美容学校在学時に、1番楽しいことを考えたらカットだったんです。なのでカットを専門にしているお店に入ろうと思い、卒業後はQBハウスに入社しました。

3~4年QBハウスで働くなかで、「外国の方のカットってどうなんだろう」と興味がわいてきました。横浜で働いていた当時も、近くに米軍基地があったので、基地の床屋の求人に応募しました。

面接でいろいろ話していたら「じゃあ明日から来ていいよ」と言われて、QBハウスを退職する決意をしたんです。

 

基地の床屋は、QBハウスとカットの仕方が違いました。

特に黒人さんのカットは、ここじゃないとわからなかっただろうなと思います。すごく特殊なんです。日本人のカットとは全然違う技術なので、転職してよかったなと思いました。

基地の床屋で働くなかで、お客様だった方と結婚しまして、主人の転勤にあわせてアメリカに引っ越しました。

 

アメリカの家の近くにいい美容室があり、3年ほど働いていました。そこが男性専用美容室だったんです。

働きながら、サロンワークでのコミュニケーションや店舗運営について勉強し、貯金もしました。

主人の転勤で、今度は沖縄に引っ越してきました。1年半前のことです。このとき、美容師の仕事を始めてちょうど10年だったんですよ。

10年のアニバーサリーだから、絶対お店をやろうと思い、開業準備を始めるに至りました。すごい経歴ではないですが、ちょっと特殊な人ですね。

美容師10年目になり、自分のお店をやりたいタイミングで、沖縄への移住だったんですね

ニーズってよく聞くと思うんです。お客様のニーズに合ったとか。私の場合、それが沖縄。沖縄中部のニーズにあったんですよ。

外国人の方が多くて、フェードカットをやりたい、英語をしゃべれる人にカットしてもらいたい。

このニーズを考えたときに、あ、私できるかもと思ったんです。

開業準備をしているとき不安はありませんでしたか?

もちろん、不安はありました。

今でも不安はあるんですけど、このお店や自分の技術を愛してくださる方が、必ず1人はいらっしゃると思うんですよ。

その人たちが応援してくださるので、応援に応えたい気持ち —— 自分の業務をちゃんとしなきゃという気持ち —— が湧いてきます。

外国のお客様からも使いやすいと言われるシステム

予約システムの選び方や、リザービアの決め手を教えていただけますか?

私が探していたのは、外国語対応があり、シンプルな予約システムでした。

外国語対応のものは探しても全然なくて、あっても英語対応だけでした。リザービアは多言語対応なので、そこがすごいなと思いました。実際、当店には韓国・中国の方の来店もあり、助かっています。

来店された韓国の方に話を聞くと、「英語と日本語しかないと、差別されているように感じるが、(ここの予約ページには)韓国語があった」と、おっしゃっていました。

多言語の切り替えができるリザービアの予約ページを、お客様も評価してくださっています。

 

サポートが充実しているのもよかったです。

導入研修ってめんどくさいかな、眠くなったりしないかなと思ったんですけど、全然そんなことなかったです。対応が丁寧でプロフェッショナルだなと感じました。

「ちゃんと教えてあげたい」と思ってくれているのが伝わってきました。

わからないことがあったとき、電話がすぐに繋がるのも、私は助かりました。

始めのころはよく電話をかけてしまいご迷惑もかけたのですが、かけたら必ず繋がる。必ず問題解決するのが心強かったです。

お客様からはどんな反応がありますか?

「予約ページどうだった?」と初回のお客様に必ず聞くんですけど、「英語対応でわかりやすい。メールのリマインドがあるのが助かっている。キャンセルもやりやすい」と言われることがよくあります。

お客様がいてのお店なので、お客様の声を私は大切にしていて、リザービアがなかったらここまでお客様を持てていなかったですね。

予約完了時に、Googleカレンダーに予定を入れられるのも助かっています。

使っている方が多くて、来店したときにGoogleカレンダーのアラームがなる方もいますね。

 

今後の展望はありますか?

人材を育てられる環境を作りたいと考えています。

私が最初に入ったQBハウスさんじゃないですけど、サロンワークで必要なことを学べる場所を作って、人材を増やしたいという展望があります。

床屋の技術を持っていて、英語をしゃべれる美容師ってなると、だいぶ絞られますよね。このどちらもできる無敵の美容師さんを、私は育てたいなと思います。

 

編集後記

アメリカ人男性が満足するフェードカットの技術。

お客様が気持ちよく会話できるように、アメリカと日本の知識をつける。

お客様目線でいいもの —— ニーズにあうもの —— を選ぶことが、多くの方に愛される理由なのだろうと感じました。

興味を持たれた方は、Miller’s Gentleman’s Hair Salon and Spa様の Instagram をご覧ください。

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