クーポンサイトには頼らない。
メニューは90分15,000円〜のヘッドスパ専門店くらげは、なぜ多くのお客様に選ばれるのか。どんなお悩みの方に、どういう価値を届けているのか。
オーナーの真野 日生(まの ひなせ)様にお話を伺いました。
目次
ラクになってもらうために、理由とセットで伝える
お店のコンセプトや特徴を教えていただけますか?
世の中のヘッドスパのイメージって、美容室のオプションの立ち位置だと思うんですけど、当店はヘッドスパに特化しています。マンツーマンで、個室のヘッドスパ専門店です。
別の表現をするなら、頭をベースにした体質改善サロンです。
日常をラクにするお手伝いをするお店。その手段がヘッドスパなんです。
お店で大切にしているのは血行をよくすることです。血行のよさは、毛髪の育成や、頭が軽くなることに繋がります。
スマホが生活に欠かせなくなり、便利になった反面、体が我慢している部分 —— 萎縮したり変に力が入ってしまったり —— があると思うんですよね。
溜まったものを緩和しないと、体は故障してしまいます。仕事のパフォーマンスを上げたり、生活をラクにしたりするのに必要なメンテナンスのお手伝いをできたらと思っています。
貴店の強みはどんなところですか?
当店の強みは、しっかりカウンセリングしたうえで、お客様のライフスタイルに合わせて施術することです。目的やゴールを設定してから施術を始めます。この流れがマッチした方は長く通ってくださっています。
逆に、施術に気持ちよさだけを求めている方は離れていきます。
気持ちいいだけのヘッドスパもできるのですが、悩ましいところがあります。体がしんどい原因を私はわかっているけど、お客様は痛いのはいやっていうことがあり…。
お客様はリラックスを希望しているけど、体に触ると根本のこりがわかる…ということですか
そうです。葛藤はありますけど、お客様に状況を伝えたうえで(どんな施術にするのか)選んでいただいています。
人って、理由とセットで伝えないと腑に落ちないと思うんですよ。
理由とセットでお伝えして、どうなりたいかを選んでいただく。疲れていてとりあえず寝たい方もいるので、この場合は(痛みが出る箇所を)触らないです。
リラックスしたい方の要望にもお応えするようにしています。
お客様に嫌な思いはしてほしくないので、(なぜ、どういう施術をするのか)全部伝えたうえで、当店の施術を求めている方に来ていただけたらいいなと思っています。
ホームページを見るとプーラ式ヘッドスパが特徴として載っていますが、プーラ式はどういうものですか?
こりをほぐして日常をラクにする。ここに一番重きを置いています。プーラ式で大事にしているのは、髪・頭皮・頭のこりのケアに関するいいものを取り入れることです。
たとえば、施術ではコラーゲンを生成する機械を使っています。コラーゲンは細胞と細胞をつなぎ合わせるもので、頭皮のケアにも関係しているんです。
イメージとしては、ハイブリッドヘッドスパという感じです。ヘッドスパと言っても、クリームバスとか頭浸浴とか、幅があるんですよね。
ヘッドスパが元々美容室のオプションの位置付けだったなかで、「もう少しヘッドスパをやって欲しい」というお客様のニーズがあり、じゃあ解剖学に基づいたケアをしよう。頭の重みを使ってほぐしていこう。これがプーラ式だと思ってもらえたらいいです。
お客様の不安を取り除き、ルーティンに入れてもらう
どんなお悩みのお客様が多いですか?
大きく3つあります。
1つ目は頭皮トラブル。ふけやかゆみ、頭皮の炎症や出来物で悩んでいる方。
2つ目は髪のお悩み。薄毛や抜け毛、髪が弱くなってきた方。
3つ目、これがほとんどを占めるのですが、頭痛、目の疲れ、頭が重たい、首がつまった方が多くご来店いただいています。
お客様はどうしてリピートしてくださっていると思いますか?
体がラクなことを知るからだと思います。
たとえば、当店の施術を受けてパフォーマンスよく仕事ができたり、会社の人に「顔色いいね」「生き生きしてるね」と言われたら、またこの状態を欲しいと思いませんか。
たぶん、これがリピートの一番の理由だと思います。
ラクになる実感があるし、周りからも言われて…ということですね
施術後、家に帰って家族に「顔色よくなったね」とか、「フェイスライン上がったね」とか言われると、(よくなったのを)より実感する。
ただ、時間が経つとまたしんどくなるじゃないですか。日々の疲れやストレスが溜まって。
なるべく、お客様の生活ルーティンに、当店でラクになることを入れていただきたいなと思っているんです。
なのでネットには出していないんですけど、次回予約得典を用意しています。2回目以降の方が少しでもご来店しやすいように。
クーポンサイトを使わずに新規集客するのは難しいと思うのですが、工夫されていることはありますか?
これまでの世の中って、消費者を下に見すぎだったと思うんです。クーポンを出せば引っかかるだろうと。でも消費者も変わっていくんですよね。
私は元々飲食店で働いていたので、ホットペッパー・ぐるなび・食べログが身近なのですが、クチコミをお金で買えたりして、クーポンサイトの信憑性も低くなっているじゃないですか。
今後どうなるかはわからないですけど、いま強いのはGoogleとInstagramだと思います。
新規のお客様に来店きっかけを聞くと、一番多いのはGoogleマップ。次にホームページです。
正直、当店のヘッドスパ15,000 円を高いと言う方も多いです。この金額で、男性スタッフの施術を個室空間で受けるのは、どこの誰がやるのかがわかっていないと、お客様は不安が先行すると思うんですよ。
なので少しでもお客様が安心できるよう、ホームページに店舗の情報を詳細に書いたり、長屋の2階で別店舗をやっている妻と一緒の写真を載せたりしています。
興味と得意の合わさるところで、覚悟を決めて開業
開業の経緯を教えていただけますか?
元々美容師をしていたんですけど、結婚などプライベートのバタバタからお金を優先しないといけない状況があり、転職して飲食店での勤務を十数年やっていました。
将来は飲食店を開業しようと思い、店舗運営について学んでいたときに、新型コロナウイルスの流行がありました。
この時期は大変でしたが、そのおかげで私は今ここにいます。当時35才で、年齢的にも分岐点。キャリアを見直す時期だったんですよね。
コロナがあって、このまま(飲食店勤務)だときついなと思いました。
言葉を選ぶと一念発起しか見当たらないんですけど、お金を稼ぐためにトラック運転手をやろうかなとか、生活を守るためにどうしようか考えていました。ただ、運送業は自分には向いてないと感じました。
「どうせやるなら興味あることがいいんじゃない」、と妻にも言われました。
美容師免許を活かしてできることを考えるなかで、ヘッドスパが候補に出てきました。ヘッドスパに決めたあとは速かったです。
師匠となる人をネットで探して、(プーラ式ヘッドスパの立ち上げ人)辻さんのホームページを見たときにピンと来たんです。直感です。すぐにメールしてセミナーを申し込みました。
プーラ式のヘッドスパを学びながら、事業計画書を作り、物件を選定して……このときは迷っている暇なんかなかったです。もう前に進むしかないので。
もちろん不安もありましたよ。融資がおりなかったらどうなるのかとか。でもやるしかないという気持ちでした。
消費者目線で一番よかったのがリザービア
予約システム導入の背景を教えていただけますか?
予約システムってたくさんあるじゃないですか。
選ぶにあたって、お店側が操作しやすいことも大事なんですけど、それよりも予約を取る人 —— お客様 —— が見やすく、かつ、わかりやすくないとダメだと思ったんです。
予約システムをたくさん見たなかで、お客様の見やすさわかりやすさ一番だったのがリザービアでした。空き状況がひとめでわかり、メニューがシンプル。
私が欲しかったのは、予約を取るためのサイトです。クーポンサイトの話も聞きましたが、私はクーポンサイトを求めていなかったんです。
料金を安くすることはなるべくしたくないんですけど、するんだったら、新規ではなくリピーターさんだよなとずっと思っています。
初回の料金を安くして来店いただいても、未来に繋がらなければ、お客様にとってもうちじゃなくていいってなってしまいますよね。
ここじゃないとダメって方を見つけていきたいです。ひとりでやっているお店なので特にですね。
他社のシステムは、見にくかったり使いにくかったりしたのでしょうか?
消費者が一番見慣れているのは、ホットペッパーなんです。見慣れているほうがお客様にとっていいんですよ。
ホットペッパーに近くてむだがなく、シンプルにしてスマートなのがリザービアでした。
お店を知る入り口はたくさんあってもいいけど、(予約をする)出口は1個に絞りたいんです。出口を増やすと、お客様も私も混乱してしまうので。
来店してくださった方には、常連になっていただきたいです。だけど、ふとしたときに思い出してくれたらいいかなとも思っています。
有り難いことに毎月リピートしてくださっている方もいます。一方で、そうじゃない方もいます。スケジュールが立たない方とか。
「ちょっと手が空いたから、くらげに行こうかな」とか、「明日くらげ空いてるかな」とか、思い出してもらえたらいいなと思っているんです。
このときに予約フォームが見づらかったら、お客様はしんどいんと思うんですよね。
最後に、今後の展望はありますか?
来店されたお客様から「ヘッドスパってこんな効果があるんですね」と、お言葉をいただくことがあります。
一方で、ヘッドスパをリラクゼーションの一環だと捉えている方 —— 不調を改善したい自分には関係ないと思っている方 —— が、まだまだいらっしゃると感じています。
より多くの方に当店を知っていただき、頭や髪の不調に悩む方に、体質を改善するヘッドスパを届けられればと思います。
また今後は、エイジングケアのより良いものを提供できるよう、細胞を活性化する技術を取り入れていこうと考えています。
編集後記
新規ではなくリピートの方に特典をつける。行きたくなったときに、予約しやすいページを用意する。
インタビューを通して、お客様、特に常連の方を大切にするお店づくりを徹底されていることを感じました。