アイリストとして活躍中の人やこれからアイリストになりたいと考えている人のなかには、アイリストが将来ずっと続けられる仕事なのか気になっている人もいることでしょう。
この記事では、アイリストの将来性や生涯現役でいるためにできること、キャリアパスや独立方法などについて解説します。
まずは資料をご覧ください
目次
アイリストの市場規模と将来性
アイリストの仕事は主に、まつげパーマやまつげエクステ(まつエク)など目元の施術です。
なかでも、まつエクは2003年頃から日本で流行し始めた、比較的新しい技術です。当初は特別な資格を求められませんでしたが、まつエクなどの施術による健康被害が相次いだため、2008年以降は施術に際し美容師免許が必須となりました。
引用元
厚生労働省:まつ毛エクステンションによる危害防止の徹底について (平成 20 年 3 月 7 日 健衛発第 0307001
アイリストは美容業界のなかでも新しい職業ですが、市場規模は拡大の傾向にあり、将来性のある職業と言えるでしょう。その理由をそれぞれ解説します。
アイリストの市場規模は拡大中
株式会社リクルートによるホットペッパービューティーアカデミーが提供する「美容センサス」によると、まつエクなどを含むアイビューティーの2023年の市場規模は、2022年に比べわずかに縮小したものの、過去5年間で2番目となる915億円の売上を記録しました。
男女ともにアイビューティーサロンの年間利用回数が増えていることから、定期的に通うことが定着し始めている傾向がうかがえます。
また、まつエクなどの施術はアイビューティーを専門としたサロンだけではなく、美容院やネイルサロンなどでも提供しており、アイリストの需要は高まっています。
これらの要因から、アイリスト市場は拡大していると解釈してよいでしょう。
引用元
ホットペッパービューティーアカデミー:数字で見る美容業界
株式会社リクルート:【美容センサス 2023 年上期】≪アイビューティーサロン編≫
株式会社リクルート:美容センサス 2023 年上期 資料編(詳細版)<アイビューティーサロン編>
アイリストの将来性
まつげパーマやまつエクなど目元の施術は、自分で行うことが難しいため、今後ニーズが全くなくなる、ということは考えにくいでしょう。
また、日本のまつエク技術は海外でも定評があり、アイリストの需要は国内だけに留まりません。
その一方で、メイクの流行によっては、まつエクのスタイルにも変化が起こる可能性もあります。そのため、アイリストとして活躍し続けるためには、常に新しい技術と流行を学び続ける姿勢が大切です。
アイリストは何歳まで働ける?
アイリストに明確な年齢制限はありません。20〜30代の若い世代が多いですが、40代の現役アイリストもいます。
美容師免許という国家資格が必要なうえ技術を必要とされる職業であるため、一度現場を離れた人でも復帰しやすい職業と言えるでしょう。
アイリスト自体が比較的新しい職業であることから、これから年齢を重ねたアイリストが増えることも十分考えられます。
年齢を重ねることで生じる問題
アイリストに年齢制限はないものの、日々の業務による負担の積み重ねと年齢による影響が体に出て、施術に支障をきたす可能性はあります。
そのうちのひとつが、老眼や視力の低下です。アイリストは、ミリ単位での調節や自まつげ1本1本への細かく正確な作業が求められるため、目を酷使します。その結果、視力が低下し、施術に影響が出る場合もあるようです。
もうひとつの影響は、首・肩の凝りや腰痛です。施術中はイスに座って前傾姿勢になり、同じ姿勢でいることが多いため、凝りや痛みが慢性的なものになるアイリストも少なくありません。また、ツイザーを持つ手が腱鞘炎になるアイリストもいます。
生涯現役でいるためにできること
アイリストが生涯現役でいるためには、目や肩、腰など体のメンテナンスは必須です。
それと同時に、美容業界はトレンドの移り変わりが激しいため、情報収集とスキルアップも欠かせません。それぞれがなぜ、生涯現役でいるために必要なことなのかを解説します。
情報収集を欠かさない
美容業界のトレンドの変化は目まぐるしく、まつエクも流行りの付け方が変わったり、LEDグルーのように新たな施術方法が生み出されたりと、日々進化が続いています。
また、まつエクなど目元の施術を受けにくる人は美容の流行に敏感な人や、メイク時間を短縮するためにまつエクを活用したい人、目元のコンプレックスを解消したい人など、さまざまです。
異なる悩みや視点を持ったお客様とのコミュニケーションを円滑にするためにも、また自らのスキルアップのためにも、流行や最新技術の情報収集は欠かせません。
技術を磨き続ける
施術者として生涯活躍する場合はもちろんのこと、施術者経験を活かして講師などに転向する場合も、技術は磨き続けた方が良いでしょう。自身の技術習得の経験や、失敗談など身をもって経験した内容を伝えることで、相手が理解しやすい指導に役立ちます。
また、アイリストに関する資格取得も、技術を磨く手段としておすすめです。資格取得のための練習自体がスキルアップにつながるうえ、独立する場合はスキルの証明にもなります。
アイリストとしてのスキルを証明できる民間資格
アイリストに国家資格はありませんが、民間の資格はいくつかあります。資格を取得していることは自身のスキルを証明できるため、サロン勤務の場合も独立して働く場合にも役立てられるでしょう。
ここではアイリストのための民間資格のうち、代表的な3つの資格試験運営団体を紹介します。
一般社団法人日本まつ毛エクステンション認定機構|JECA
JECAが開催する「まつ毛エクステンション技能検定」は、下記の5段階に階級が設定され、いずれの資格も筆記と実技の試験があります。
- 安全技術師
- まつ毛エクステンション3級
- まつ毛エクステンション2級
- まつ毛エクステンション1級
- 認定講師
実技ではテーブルセッティングとエクステ毛の装着やリペア、リムーブの技術がみられ、級によってエクステの本数や種類、そしてデザインが指定されます。
受験に際しては美容師免許を取得済みもしくは現在美容学校に在学中、またはJECA認定校に在籍中であることが必要です。
引用元
JECA一般社団法人日本まつ毛エクステンション認定機構:技能検定試験
日本まつげエクステ協会|NEA
NEAが主催する「プロアイリスト検定」は、下記の4段階が用意されています。
- プロアイリスト3級(オンライン学科試験のみ)
- プロアイリスト2級(オンライン学科試験と実技の対面試験)
- プロアイリスト1級(実技の対面試験のみ)
- 認定講師(オンラインセミナーの受講・受験)
2級と1級の実技試験は、協会本部から案内される認定講師への申し込みが必要となります。いずれも使用するアイラッシュの種類や本数が指定され、正確性やバランスのほか安全面や衛生面が採点の基準となっています。
なお、検定は3級に合格できて初めて2級の学科試験が受けられるようになっており、下位の級から順番に受験しなくてはいけません。
引用元
NEA 日本まつげエクステ協会:検定試験 プロアイリスト検定
日本アイリスト協会|JEA
JEAが開催する技能検定試験は、下記の4段階が設定されています。
- 3級 JEAベーシックライセンス
- 2級 JEAスタンダードライセンス
- 1級 JEAプロフェッショナルライセンス
- 認定講師
3級は、まつエクに関する基本的な知識が問われる筆記試験となっており、美容師免許が無い場合だけでなく、取得予定がない場合でも受験可能です。
2級・1級は美容師免許取得済みもしくは美容学校への在籍もしくは卒業が必要条件となっています。筆記・実技の両方が設けられており、プロとしての知識と技術が問われる試験です。
引用元
一般社団法人日本アイリスト協会:JEA技能検定試験概要
アイリストとしてのキャリアパス
アイリストの仕事は続けたいけれども、体力的に長時間の施術には耐えられないという状況も、将来的には起こるかもしれません。そんなときは、施術者以外の立場で関わる手段があることも知っておきましょう。
施術者以外のキャリアパスを3つ、紹介します。
店長・マネージャーなどの管理職に就く
勤めているサロンで店長やマネージャーなどの管理職を目指す道です。施術を全くしなくなるか、担当するかはサロンによって異なりますが、少なくとも一般スタッフの頃よりは施術の機会が減ります。
そのため肉体的な負担は軽くなりますが、スタッフや売上の管理など、マネジメント力を身につける必要があります。
講師として技術を伝える側になる
自身の技術と経験を活かして、後進を育てる道もあります。
アイリストの検定を開催している協会などでは認定講師資格を設けている場合が多いです。資格を取得すると、認定スクール講師やセミナーの開催などが可能となります。
他にも、アイラッシュ専門のコースを設けている美容専門学校や、大手サロンの教育係なども選択肢としてあります。講師を指導するための講師になったり、自身でスクールを開校したりするなど、講師業のなかでさらにキャリアアップを目指すことも可能です。
独立して自分のサロンを運営する
自分でサロンを開業し、独立するといった方法もあります。自分のサロンであれば予約数も調整できるため、自分にとって無理のない範囲で施術が可能です。
施術は基本的に雇ったスタッフに任せ、自分は運営に専念する、といったサロンの運営方法もあります。
アイリストとして独立する方法
自分に合った働き方で長くアイリストとして活躍するなら、独立も選択肢のひとつです。
ひとくちに独立と言ってもその手段はさまざまで、必要な準備や働き方のかたちも異なります。アイリストとしての独立は主に下記の3つの方法があります。
- 自宅の一部や賃貸の店舗で自分のサロンをオープンする
- サロンと業務委託契約を結ぶ
- シェアサロンのレンタルや面貸しを利用する
それぞれの違いについて詳しく知りたい場合は、こちらの記事も参考にしてみてください。美容師向けの内容となっていますが、業務委託・シェアサロンなどの扱いはアイリストも同様です。
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独立するデメリットのひとつは施術以外の業務
アイリストとして独立した場合、施術以外の業務もすべて自分で行う必要があることは、デメリットのひとつと言えるでしょう。
主に時間のかかる施術以外の業務が、集客と顧客や予約の管理です。施術やスキルアップ、プライベートな時間の確保のためには、これらの施術以外の業務を効率的に行うことが鍵となります。
まずは資料をご覧ください
アイリストとして独立・開業するなら「リザービア」の導入がおすすめ
アイリストとして独立した際、施術以外に時間と手間をとられがちな業務が、集客や顧客管理などです。これらの業務を効率的に進める手段のひとつとして予約管理システム「リザービア」の利用がおすすめです。
ここでは数あるリザービアの機能のなかでも予約管理とリピーター獲得に役立つ機能を紹介します。
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予約情報の一元化で管理の手間が省ける
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キャンペーンや割引情報などは再来店のきっかけにもなりやすいため、上手に活用してリピーターを獲得しましょう。
アイリストは将来性のある仕事!自分に合った働き方で続けよう
アイリストはまつげサロンのみならず、まつエクなどの施術を提供するネイルサロンや美容院でも需要のある職業です。また、施術対象が男性にも広がっていることから、アイリストの活躍の場は今後も広がってゆくことが予想されます。
アイリストは年齢による体への負担も考えられますが、生涯施術者として活躍する以外にも、管理職へのキャリアアップや独立などさまざまな選択肢があります。
独立にもさまざまな形がありますが、施術以外の業務を効率化するなら予約システム「リザービア」の利用がおすすめです。